国際秩序の崩壊 2019 7 21

書名 日本の「非核」神話の崩壊
著者 日高 義樹  海竜社

 核兵器には、二種類あります。
民主主義国家の核兵器と独裁国家の核兵器です。
 民主主国家の核兵器は、多くの歯止めがあります。
それは、議会、マスコミ、世論などがあるでしょう。
 これだけ多くの歯止めがあると、
核兵器は、実質的に「使えない兵器」と言えるかもしれません。
 しかし、独裁国家の核兵器には、
そういう歯止めは、独裁者の「理性」しかありません。
これでは、核兵器は、「使える兵器」と言っても過言ではありません。
 だからこそ、北朝鮮を核兵器保有国にしてはならなかったのです。
しかし、国際社会は、北朝鮮の核開発を傍観しているだけでした。
つまり、国際社会は、国際秩序の崩壊を傍観していたのです。
 もし、北朝鮮が核兵器を使用すれば、アメリカも核兵器で反撃するでしょう。
しかし、これで終わらないのです。
北朝鮮の人民は、大きな被害を受けるでしょうが、
そもそも、独裁国家の人民とは、独裁者を支えるために存在しているのです。
 だからこそ、人民が何百万人死んでも、
それは、独裁者を支えるという義務を果たしたという理屈になるのです。
 アメリカは、強力な核兵器を保有しているので、
北朝鮮を「更地」にできるでしょうが、それは、国際社会が認めないでしょう。
つまり、アメリカによる核兵器の使用は、限定的なものとなるのです。
 そうなると、北朝鮮は、人民を犠牲にしながらも、
政府としては、存続を続けることになります。
北朝鮮の「粘り勝ち」が見えます。
 さりとて、通常兵器による戦争でも、
北朝鮮は、山岳地帯が多く、攻めにくい地形と言えるでしょう。
 そういうわけで、アメリカは、
日本海に原子力空母や攻撃型原子力潜水艦を多数派遣して、
軍事的圧力をかけましたが、その後は、経済封鎖を行いながら、
対話路線となっています。
 これは、日本の戦国時代で言えば、「兵糧攻め」でしょうか。
しかし、北朝鮮の無秩序な崩壊を恐れる周辺国が、
極秘裏に経済支援を行っていますので、
「兵糧攻め」は効果を発揮しません。
 さて、北朝鮮による韓国占領は、どのように行うか。
通常兵器では、韓国軍が圧倒的に優勢です。
 そのため、北朝鮮は、「EMP攻撃」を行う可能性があります。
核兵器を超高空で空中爆発させると、膨大な量の電磁波が発生します。
その結果、電子機器は死滅します。
人体には影響ありませんが、電子機器は使えなくなります。
 私は、2003年にEMP攻撃の可能性を指摘して、
「アメリカ軍は、38度線に近すぎる。
南へ引き下げるべきだ」と書きました。
 もちろん、その当時は、北朝鮮の核兵器は、まだ初歩的なものでした。
しかし、現在は、強力なものが完成して、弾道ミサイルも高性能なものとなっています。
 「EMP攻撃」では、超高空で核爆発させる必要がありますので、
北朝鮮と韓国の位置関係からすると、
垂直に近い角度で核弾道ミサイルを発射するように見えます。
このような「EMP攻撃」を定期的に行えば、ソウルは「無血開城」となるかもしれません。
 もちろん、「EMP攻撃」を始める前に、
韓国に「親北政権」を作っておく必要があります。

リベラルの限界 2015 3 14
 産経ニュースで、2015年3月12日、
宮家邦彦氏は、このように書いています。
 核疑惑に関する「信用」と「枠組み合意」といえば、日本には苦い経験がある。
1994年、北朝鮮の核開発疑惑に関し、米朝両国が「枠組み合意」に調印した。
 北朝鮮が黒鉛減速炉の建設・運転を凍結し、代わりに米国が軽水炉建設を支援、
完成まで年間50万トンの重油を供給するという、あの悪名高い合意だ。
 当時のクリントン政権関係者は、
「時は日米韓に有利であり、北朝鮮の軍事力はピークを過ぎた」として、
この合意を正当化していた。
(引用、以上)
 その後、北朝鮮は、どうなったのか。
3回目の核実験を成功させて、事実上の核兵器保有国になりました。
 結果的に、北朝鮮は、二つのものを手に入れたのです。
それは、経済援助と核兵器開発です。
 日本としては、「あの悪名高い合意」を苦々しく思っていましたが、
なぜ、アメリカは、北朝鮮に肩入れするのかは、疑問が残りました。
 そこで、日本では、いろいろな噂が飛び交いました。
ホワイトハウスの「実績作り」ではないのか。
アメリカは、朝鮮半島に、何らかの「利権」があるのではないのか。





































































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